(ブルームバーグ):台湾の最大野党・国民党の主席選挙が18日に実施され、鄭麗文氏が当選した。鄭氏は前立法委員(国会議員)で、中国との関係強化を訴えてきた。
国民党の発表によると、鄭氏の得票率は50.2%で、他の5人の候補を破って当選した。党史上3人目の女性党首となる。現職の朱立倫氏は今回の選挙に出馬しなかった。
鄭氏は勝利演説で、「選挙の終わりは団結の始まりだ」とし、「われわれは国民党を団結させるだけでなく、台湾全体を一つにする」と語った。
鄭氏は選挙戦で、「全ての台湾人が誇りと自信を持って『私は中国人だ』と言えるようにしたい」と述べていた。また、中国大陸と台湾は不可分だとする「一つの中国」の原則を認め合ったとする「92年コンセンサス」を明確かつ繰り返し支持してきた。
中国の習近平国家主席は鄭氏に祝意を伝達。両党が共通の政治的基盤を強化し、「国家統一を推進」することに期待を表明した。新華社通信が19日報じた。
一方、与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳政権は、台湾は実質的に独立した国家であり、国際社会でより広く認められるべきだと主張。鄭氏が掲げる親中姿勢には反対の立場だ。
ただ、今回の鄭氏の勝利により、頼氏が進める国防費増額の取り組みは一段と困難になりそうだ。台湾の主要な軍事支援国である米国は、中国に対する防衛力を強化するため、頼氏に国防費の引き上げを促してきた。
国防予算を域内総生産(GDP)比5%に引き上げると頼氏が表明していることについて、鄭氏は「合理的な比率ではない」とし、支持しない考えを示している。
原題:China-Leaning Politician Wins to Lead Taiwan Opposition KMT (1)
(第5段落以降に習主席のコメントなどを追加して更新します)
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