アメリカで銃撃され死亡した、トランプ大統領に近い保守系の政治活動家チャーリー・カーク氏の追悼式典が行われ、参列したトランプ大統領は「過激な左派は危険なことをする」と一方的に批判しました。

記者
「追悼式典は6万人以上が収容できるスタジアムで行われていて、最上階まで人が入っています」

カーク氏は保守層の若者を中心に大きな影響力を持つとされていて、会場には多くの支持者が集まりました。

キリスト教への信仰を中心としたカーク氏の政治活動。式典でカーク氏の妻は…

カーク氏の妻 エリカ氏
「憎しみを憎しみで返してはいけない。愛でこたえないといけません。彼(容疑者)を許します」

夫を殺害した容疑者を許すと涙ながらに語りました。一方、トランプ大統領は…

トランプ大統領
「“過激な左派”は非常に危険なことをする。チャーリーは敵対する相手を憎んでいなかった。私はそこでチャーリーと意見が食い違ったんだ。私は敵対相手が憎いし、彼らのためになることなど望んでいない」

これまでの主張を繰り返しました。この演説に参列者からは…

参列者
「まさにトランプ大統領にしかできない演説でした。カーク氏の功績をさらに推し進めるだけでなく、カーク氏が命をかけて守ろうとした約束を自ら果たしていくと語りました」
「個人的にはチャーリーの生き方に集中してほしかった。今は政治の話をする場ではないように感じます」

国の指導者が国民の対立を煽るともとれる発言をしたことに、アメリカ・CBSテレビは「最もあからさまな政治的演説を行い、政敵を批判し、カーク氏暗殺の責任をまた“過激な左派”に押しつけた」などと報じました。

また、イギリスのガーディアンも「トランプは国民の団結を促すメッセージを出すことを拒否した」などと伝えています。

カーク氏の死によってさらに鮮明になった国民の分断。今後、ますます深まることが懸念されています。