(ブルームバーグ):中国の電気自動車(EV)業界に新星が現れた。かつて存在感の薄かった浙江零跑科技が販売・株価の伸びで新興EVメーカーとして今年首位に立ち、アナリストらは今後も成長が続くと見込んでいる。
香港市場に上場している同社の株価は1月以降で2倍に上昇し、知名度の高い小鵬汽車や小米(シャオミ)を上回るパフォーマンスを記録。昨年8月の安値からは200%超の値上がりとなった。
零跑汽車(リープモーター)とも呼ばれる零跑は2025年の年間販売台数目標を50万台と、昨年の約29万台から大きく引き上げた。初の通期黒字も見込んでいる。

設立から10年の零跑は、競合他社よりも価格面で優位に立つことで投資家の支持を得ている。その原動力となっているのが、部品の内製化だ。エレクトロニクス・ソフトウエア分野で経験を積んできた同社の共同創業者、朱江明氏が研究開発を主導している。
CLSA香港の中国産業リサーチ共同責任者、シアオ・フォン氏は「零跑の価格競争力は際立っている。大型車を大衆価格で提供できているのは、約70%の垂直統合を実現しているためだ」と指摘。「力強い製品サイクルと卓越した資本効率によって、大きな上振れ余地があるとみている」と明らかにした。

同社の株価は先週の取引を65.40香港ドルで終了。昨年8月の安値19.54香港ドルから急伸している。ブルームバーグがアナリストを対象に行った調査によると、今後12カ月で74.89香港ドルまで値上がりすると予測されている。

零跑が2020年後半に発売したファミリー向けスポーツタイプ多目的車(SUV)「C11」は、価格が14万8800元(約305万円)から。一方、理想汽車の最も安価なモデルであるSUV「L6」は、24万9800元からとなっている。
調査会社サード・ブリッジのアナリスト、ロザリー・チェン氏は「零跑はバッテリーを除くほぼ全ての部品を自社で開発・製造しており、コストをより細かく管理できる」と分析した上で、「こうした垂直統合によって、外部サプライヤーへの依存度が高い競合他社に対してコスト面で優位に立てる」と述べた。

原題:A 200% Stock Surge Makes Leapmotor China’s Next EV Rising Star(抜粋)
--取材協力:Kevin Dharmawan.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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