パレスチナ自治区ガザに侵攻を続けるイスラエル軍は、北部での大規模な軍事作戦を前に、ガザ住民を南部に移動させる準備を進めると発表しました。

イスラエル軍は16日、ガザの住民を「戦闘地域から南部に移住させるための準備」として、テントやシェルターなどを配布すると発表しました。

イスラエルは今後、北部ガザ市で大規模な軍事作戦を展開したうえで制圧する計画を進めていて、今回の措置はその一環とみられています。

おととし10月の戦闘開始以降、ガザ住民はこれまでに何度も強制的な移住を強いられていて、国際社会からはイスラエルに対する非難の声が相次いでいます。

ガザ保健当局によりますと、戦闘開始以降のガザでの死者は6万1000人を超えているほか、食料不足による栄養失調などで餓死する子どもが相次ぐなど人道状況が極めて悪化していて、北部での軍事作戦が始まれば、犠牲者の更なる増加が懸念されています。