ウクライナ侵攻後初の対面での米ロ首脳会談から一夜明け、プーチン大統領は、会談は「非常に有益だった」と評価しました。一方、トランプ大統領は「戦争を終わらせる最善の方法は停戦合意ではなく和平合意だ」との考えを示しました。

ロシア・プーチン大統領
「今回の訪問は適切なタイミングで行われ非常に有益であった」

プーチン大統領は16日、モスクワのクレムリンに政権幹部らを集めトランプ大統領との首脳会談の結果を報告し、「非常に有益だった」と高く評価しました。また、「戦闘の早期終結が必要だとするトランプ大統領の立場を尊重する。われわれもそう望んでいる」としたうえで、「危機の根本原因の除去こそが解決の基盤となるべきだ」と従来の主張を繰り返しました。

一方、トランプ大統領は首脳会談後、SNSでウクライナのゼレンスキー大統領やヨーロッパ各国の首脳らと電話会談したと明らかにした上で、「恐ろしい戦争を終わらせる最善の方法は単なる停戦合意ではなく和平合意に直接進むことであると全員が判断した」と投稿しました。

ゼレンスキー氏は「停戦が最優先」だと訴えていて、トランプ氏も米ロ首脳会談前、ロシア側に停戦を求めていましたが、ワシントン・ポストは「プーチン氏に同調する劇的な方針転換になる」と伝えています。

こうした中、イギリスのフィナンシャル・タイムズは、首脳会談で、プーチン氏が戦争終結の条件として、ウクライナが東部ドネツク州とルハンシク州から撤退することを求めた、と報じました。引き替えに、南部ヘルソン州とザポリージャ州の前線を凍結し新たな侵攻を行わない、とも述べたということです。そして、トランプ氏はこの要求をゼレンスキー氏やヨーロッパ各国の首脳に伝えたということです。18日にはゼレンスキー氏がアメリカを訪れトランプ氏と首脳会談を行う予定です。