(ブルームバーグ):米メタ・プラットフォームズは、サングラスの有名ブランド「レイバン」を展開する、フランスのエシロールルックスオティカの少数株式を取得した。事情に詳しい関係者が明らかにしたもので、急成長を遂げるスマートグラス市場への関与を一段と強める動きだ。
メタはエシロールルックスオティカの株式3%弱を取得した。現在の市場価格に基づくと、約30億ユーロ(約5200億円)に相当する。メタは将来的に持ち分比率を5%前後に引き上げる追加出資も検討しているが、計画の変更もあり得る。関係者が協議の非公開を理由に匿名で語った。
これを受け、エシロールルックスオティカの米国預託証券(ADR)は5.5%上昇した。両社の担当者はコメントを控えた。
両社は人工知能(AI)を活用したスマートグラスの共同開発を数年前から進めてきたが、今回の出資で関係が一層深まる。メタは、2021年に投入したレイバンブランドのカメラ・AIアシスタント内蔵型スマートグラスを販売している。先月には、エシロールルックスオティカと「オークリー」ブランドのスマートグラスを発表した。
エシロールルックスオティカのフランチェスコ・ミレリ最高経営責任者(CEO)は昨年、メタが出資に関心を示していると述べたが、具体化していなかった。
今回のディールは、AIを最優先分野に掲げて多額の投資を進めるメタのマーク・ザッカーバーグCEOの方針とも一致する。スマートグラスはこの戦略の中核に位置付けられる。
メタはこれまで、自社アプリやサービスを他社製スマートフォンで提供してきたが、スマートグラスによって内製ハードウエアと自前の販路を持つ機会が得られるとザッカーバーグ氏はこれまで語っている。今回の合意はメタが製造ノウハウを蓄積し、世界的な流通網を活用することにつながり、自社のスマートグラスを一般消費者向け製品として普及させる基盤固めとなる。
原題:Meta Invests $3.5 Billion in EssilorLuxottica for AI Glasses (1)(抜粋)
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