(ブルームバーグ):米ソフトウエア大手のアドビは17日、生成人工知能(AI)モバイルアプリ「Firefly(ファイアフライ)」をリリースした。同社AIによる画像生成・編集機能の認知拡大を図る。
アップルの基本ソフト(OS)「iOS」およびアルファベット傘下グーグルの「アンドロイド」向けのこのアプリは、テキストからの画像生成やテキスト・画像からの動画生成が可能。
画像内の不要な要素の除去と新たな要素の追加ができる「生成塗りつぶし」や、画像をさまざまなアスペクト比に合わせて自然に拡張する「生成拡張」機能も備えている。
テキストベースでの生成機能はオープンAIやメタ・プラットフォームズ、グーグルが提供するAIサービスと似ており、生成される動画は長さが5秒間となっている。
アドビのような老舗ソフトウエア企業が、設立当初からAI開発に取り組んできた新興企業のサービスにどう対抗していくのか、投資家は注目していた。
キャンバなどのデザインアプリや、ランウェイAIやミッドジャーニーといったスタートアップによる画像・動画生成ツールが勢いを増す一方、アドビは「フォトショップ」などの既存製品にAI機能を付加するアプローチを取ってきた。
ただ、アドビの最近のAIへの取り組みは投資家から評価されず、株価は年初来で約14%下落。アドビ株は17日、4.7%安だった。

今回アプリに搭載された機能は、すでにフォトショップや「ライトルーム」などアドビ製品に備わっていたものだが、専用アプリとして再編成することで訴求力が増した。ユーザーはより直感的なインターフェースでAI機能を試すことができる。
Fireflyアプリは無料でダウンロードできるが、コンテンツの生成にはクレジット(利用枠)購入が必要。
アドビの定額サービス「Creative Cloud(クリエイティブクラウド)」に未加入のユーザーは、月額4ドル99セント(約720円)の新プランに加入することで追加クレジットの取得や「プレミアム」機能の利用が可能になると、アドビの広報担当者がブルームバーグ・ニュースに語った。
原題:Adobe Debuts Standalone App for Generating AI Videos, Images (1)(抜粋)
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