“在宅・納期なし”自分のペースで「諦めないで生きる」

物音や、視界の動きに敏感な特性がある山内さん。この春から、AIエンジニアとして再スタートを切りました。
山内さん
「障がい者を前提としているだけあって、安心して働ける。フルリモートなので、音が気になるとかそういうのもない。好印象でいいなと」
再出発に選んだ会社の特徴は”自分のペースで働ける”ということ。
仕事は、チームではなく個人単位に割り振られ、週20~40時間の範囲であれば、働く場所や時間は、自由に決めることができます。
また、会社は、原則納期がない仕事のみを請け負い、社員に、プレッシャーがのしかからないようにしています。

山内さんが働く会社は、AIを使った業務の自動化やアプリ開発などを請け負うIT企業「日揮パラレルテクノロジーズ」。
社長の阿渡さん自身も障がい者雇用で働いていて、障がいの有無に関わらず「一番能力を発揮できる環境で働いてほしい」という思いから、この会社を立ち上げました。

日揮パラレルテクノロジーズ・阿渡健太社長
「障がいを持っている人はそれぞれ特徴があって、例えば通勤が苦手とか、人混みが苦手とか。それが原因で体調が崩れて、安定しなくて辞めてしまうということが多い。じゃあそれ取っ払えば良いじゃんと」
「そういうふうにやれば、(能力を)活かせる人たちはいっぱいいるんじゃないかなと思います」

現在、社員46人中43人が障がい者で、このうち8割は精神・発達障がいがある人たちです。社員は、1人で悩みを抱え込まないよう、雑談ができるチャットアプリを活用したり、手軽に個人面談を受けたりすることができます。
こうした制度によって、2021年の設立以降、自己都合退職者は0人だといいます。
山内さんは、発達障がいがある人たちに「絶望しても、もう一度だけチャレンジしてみてほしい」と話します。

山内さん
「努力が報われると言うと世の中違う部分もあるが、一生懸命やったことで、何か自分の中で気付きとか踏ん切りみたいなものもあったりするので。同じような苦しい局面とかにある人も、頑張ればどうにかなった事例が一個ありますよということで、諦めないで生きるというのが大事なのかなと」