(ブルームバーグ):米アマゾン・ドット・コムの顧客は、何年も前に購入して返品した商品に対して、突然返金を受けている。同社は「未解決」の問題を発見したとして謝罪した。
返金の規模は不明だが、幹部は多額に上る可能性を示唆している。ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)は1日の決算説明会で、未解決となっている「過去の顧客による返品の一部」に関連し、1ー3月(第1四半期)に約11億ドル(約1580億円)の一時的費用を計上したと指摘。この費用には関税を見越した在庫備蓄のコストも含まれる。
アマゾンの広報担当者は20日、顧客への返金が行われていることを認めたが、具体的な件数や全体のコストについては明言を避けた。
アマゾンは複数の顧客への電子メールで「最近の社内調査を受け、当社が正しい商品が返品されたと確認できなかったために未解決となっていた、ごく一部の返品を特定した」とし、「経過した時間を踏まえ、顧客の利益を優先してこれらの返品に対する返金を完了することを決めた」と説明した。ブルームバーグがメールの内容を確認した。
アマゾンは、同社の返品ポリシーに従って指定された場所に商品を返した顧客に対し、一転して返金を取り消したと主張する消費者から提訴されている。同社は商品が返品場所に届けられた時点で顧客に即時返金していたが、商品がアマゾンの施設に戻らなかった場合、再び商品の代金を全額請求していた。
このポリシーは、顧客が商品購入後に空の箱や偽の商品を返品して返金を求める詐欺行為を防ぐのが目的だった。ただ、サプライチェーンの他の場所で紛失が生じるケースも考えられる。
連邦地裁判事は4月、訴訟取り下げを求めるアマゾンの訴えを退けた。
アマゾンの広報担当者は、今回の返金が訴訟と関連しているかについてはコメントを控えた。「顧客は返金を受けるために行動する必要はない。今後未解決の返品について顧客に一層迅速に連絡するため、決済を巡る問題を解決するとともにプロセス変更を行った」と説明した。
原題:Amazon Gives Refunds, Apologizes for Years-Old Returns Issues(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.