(ブルームバーグ):世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長は13日、世界的な貿易戦争が課題と機会の双方をもたらすと述べた。
都内での石破茂首相との会談に先立ち、関税に関する絶え間ない動きが続いていることに言及し、「貿易は現在、非常に厳しい局面に直面している。かなり困難な状況だ」と指摘。「しかし、貿易には前向きに取り組むべき多くの重要な機会もあると感じている。直面する課題を解決し、新たな貿易の潮流を生かす機会の一つとして、この危機を捉えるべきだ」と語った。

WTOが4月に発表した最新の見通しによると、25年の世界のモノの貿易量は前年比0.2%減少する見込み。米国が引き起こした貿易戦争がなかった場合よりも3ポイント近く低く、年初時点での予想から反転した格好だ。26年には2.5%増に回復すると予想している。
オコンジョイウェアラ氏は、米国が課した「上乗せ関税」を含む関税措置が世界貿易にとって課題だと警告。日本については「貿易大国」と評価した上で、WTOおよび多国間貿易体制に対する一貫した支持に謝意を示した。
石破氏は「事務局長が強力なリーダーシップで多角的貿易体制の維持に尽力」していることに敬意を表すると述べた。
前日には米中が相互の関税率を一定期間引き下げることで合意。これについて、赤沢亮正経済再生担当相は13日、コメントを控えたが、今後の動向を注視していく姿勢を示した。
原題:Tariffs Create World Challenges, Opportunities, WTO Head Says(抜粋)
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