人工知能(AI)企業による著作物利用の透明性と責任を強化する修正案の英上院採決を12日に控え、ポール・マッカートニーやエルトン・ジョン、デュア・リパら英国の著名アーティストがスターマー首相に著作権保護の強化を求めた。

英政府は著作権者が使用拒否(オプトアウト)しない限り、AI開発企業がAIの学習に著作物を無断で利用できる制度の導入を目指している。歌手のケイト・ブッシュ、俳優のイアン・マッケラン、指揮者のサイモン・ラトルも含む400人余りが署名し、10日に発表した公開書簡は、修正案が成立せずオプトアウト制度が導入されれば、著作権者は何年にもわたり権利を侵害される恐れがあると指摘する。

「一部の強力な外国テクノロジー企業の意向に従って、われわれの作品を無償で提供すれば、大きな成長機会と将来的な収入を失うことになる」と訴えた。

英上院で12日に採決予定のデータ法案修正案は著作物を学習データとして使用したAI企業に対し、その旨を著作権者に通知する義務を課す規定が盛り込まれている。書簡は、この修正によって「創作物の大量盗用が続く中で、AIに対し責任を問うことが可能になる」と支持を表明している。

英政府はオプトアウト制度への反発を和らげるため、経済的影響の評価実施や、オプトアウト制度の実現可能性と透明性に関する報告書提出を義務付ける譲歩案を提示したが、アーティストらはこうした措置では不十分だとして退けている。

英人気歌手のデュア・リパ

原題:Elton John, Dua Lipa Urge UK to Rethink AI Copyright Plans(抜粋)

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