米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、関税に伴うコストを相殺するために企業が値上げを行えるとは限らないと述べ、数年に及ぶインフレを経験した消費者の許容度には限界があるとの見解を示した。

バーキン氏は9日、バージニア州ラウドン郡の商工会議所で開かれたイベントで「小売り業者から耳にするのは、消費者はもうほぼ限界だということだ」と発言。「つまりそれは、価格に転嫁すると言うのはたやすいが、実際に行うのは思っているほど簡単ではないということを意味する」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は今週開いた会合で政策金利を据え置いた。トランプ大統領の関税政策を背景に経済の不確実性が増し、インフレ加速と失業増加のリスクが高まったとしている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、通商協議が状況を「大きく」変える可能性があるとの認識を示した。トランプ政権は10日、中国との交渉を開始する予定。

バーキン総裁は、米経済が良好な状態にあるとなお考えている。9日には、消費者の支出と企業投資はいずれも堅調に推移していると指摘。消費者心理を示す指標は明らかに弱含んでいるものの、実際の支出を押し下げるには至っていないと述べた。

バーキン総裁は、今年のFOMC会合で投票権を有していない。

原題:Fed’s Barkin Says Not All Firms Can Raise Prices on Tariffs(抜粋)

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