米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は9日、インフレ期待を目標近辺に維持することが中央銀行の「礎(いしずえ)」を成すとの認識を示した。

「インフレ期待をしっかりと安定させることの重要性は、中銀関係者にとって重大な教訓であり、不確実性が非常に高い局面ではとりわけそうだ」と述べた。発言はアイスランドのレイキャビクで開催される会議向け原稿に基づく。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁

背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価安定と最大雇用という2つの責務で相反するシナリオに直面しつつあることがある。

ウィリアムズ総裁の発言は、FRBの責務のうち特にインフレを一段と留意していることを示唆しており、これはパウエルFRB議長の最近の発言とも一致する。パウエル氏はこれまで、物価安定を維持せずして持続的な完全雇用は達成できないと述べている。

ウィリアムズ氏は「経済ショックや政府政策の変化、グローバル化の進展と後退といった流れにかかわらず、中銀は物価安定の維持こそが自らの責務であると認識している。中銀は物価安定の守護者だ」と指摘。その上で、中銀がその責務を効果的に果たすことで「国民からの信頼を勝ち取ってきた」と述べた。

さらに「予見できる将来において、金融政策の環境を特徴づける最大の要素は、不確実性であることに疑いの余地はない」とも語った。

原題:Fed’s Williams Says Crucial to Anchor Inflation Expectations(抜粋)

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