(ブルームバーグ):9日の東京株式相場は続伸。米英による貿易枠組み合意や米中関税交渉の進展期待からリスク選好の動きが広がり、東証株価指数(TOPIX)は11営業日連続高。日経平均株価は3月28日以来となる3万7000円台を回復している。
金利上昇を追い風に銀行や証券など金融株が上昇。外国為替相場のドル高・円安が好感され、電機や輸送用機器など輸出関連株も高い。
TOPIX上昇に最も寄与しているのが三菱UFJフィナンシャル・グループで2%超の値上がり。指数構成銘柄1689のうち、1395銘柄が上昇、243銘柄が下落している。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、米英の貿易協定合意を受けて米国株が上昇し、週末にスイスで予定される米中高官会談での交渉の進展も期待されると指摘。きょうは幅広いセクターが買われそうだと話していた。
一方、ラトニック米商務長官はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、日本や韓国との貿易協定を締結するには「膨大な」時間がかかるとの認識を示した。
トヨタ自動車株が3日ぶりに反発。同社は8日に発表した今期(2026年3月期)営業利益計画で、米関税の4-5月分の影響見込みとして1800億円を減益要因として織り込んだと説明した。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長は、時価総額上位企業の決算発表が終了したことは、一つのイベントリスクが後退したことを意味すると指摘した。
その他個別銘柄では、ニデックが株式公開買い付け(TOB)を撤回すると発表した牧野フライス製作所が一時21%安と、ブルームバーグの記録に残る1974年9月以降で最大の日中下落率となった。
インサイト
- 東証33業種中30業種が上昇、倉庫・運輸関連が上昇率トップ、医薬品が下落率トップ
- MSCIアジア太平洋指数は0.4%高
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