(ブルームバーグ):ベッセント米財務長官は28日、トランプ政権が推進する包括的な減税案について、独立記念日の7月4日までの議会通過を目指す考えを示した。世論調査では政権の経済運営に有権者が総じて不支持を表明していることが示されている。
ベッセント氏は共和党議会指導部との会合後、「7月4日までに終えることができるよう望んでいる」と語った。同党は税制法案の議会通過を最優先事項としている。
ベッセント氏とホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は28日、スーン上院院内総務、ジョンソン下院議長、クレイポ上院財政委員長、スミス下院歳入委員長と会った。
トランプ氏は、この法案を可決するよう共和党への圧力を強めている。ミシガン州の同党議員に対し、同州で29日に行われる大統領就任100日を記念する自らの演説に立ち会わず、ワシントンにとどまるよう指示したほどだ。
トランプ氏も28日、ジョンソン議長と会談していた。
スーン院内総務は28日夜、独立記念日を期限とするとのベッセント氏の発言に関し、「意欲的」だと語った上で、日程についていかなる約束もしないと述べた。その一方で、議会が連邦債務上限を引き上げるための期限の方が心配だと話した。
債務上限
ベッセント氏は、議会が債務上限の引き上げや適用停止を行わない場合、政府が全ての支払いを期限通りに履行するための資金が不足する時期を巡り、公式の目安を今週中ないし来週に発表すると明らかにした。
ベッセント氏が7月4日の日程に言及したことで、議会共和党には減税法案可決に向けてあらためて圧力がかかることになる。ジョンソン議長は下院で5月末までの法案可決を目指しており、同月26日の「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)までに可決できると思う」と表明した。
法案はトランプ政権1期目に成立し今年末で期限が切れる減税の延長と新たな減税措置を盛り込み、一部は歳出削減で財源を確保する。上院では、減税法案の審議に数カ月かかる見通しで、共和党指導部は8月までの採決を見込む。
各種世論調査によると、米国民は家計に直結する大統領の政策に不満を抱いている。CNNが27日に発表した最新調査によると、トランプ氏の経済運営を支持する回答は39%にとどまり、1期目も含めた同氏の任期中としては最低だった。NBCニュースの調査でも、トランプ氏の関税措置は極めて不評だった。
原題:Bessent Sets July 4 Tax Bill Goal as Economic Worries Mount、Bessent, GOP Huddle on Taxes as Economic Tension Builds (1)(抜粋)
(ベッセント米財務長官の発言などを加えて更新します)
--取材協力:Josh Wingrove.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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