トランプ政権が進める関税政策や連邦支出の削減が、米国の人工知能(AI)分野での競争力を低下させ、中国を優位にする可能性がある。リンクトイン共同創業者でベンチャーキャピタリストのリード・ホフマン氏がこう警告した。

同氏は25日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで関税について「実際に中国のあらゆる産業を支援する」ことになると話した。具体例として、欧州が製造業や技術分野で中国をより「安定した貿易パートナー」と認識すれば、「中国により良い世界市場が開かれ、米国の立場は悪化する」と述べた。

リード・ホフマン氏

ホフマン氏は、2024年米大統領選でトランプ氏と争ったカマラ・ハリス前副大統領を支援した経緯がある。民主党への支持を巡り、イーロン・マスク氏ら他のテック業界のリーダーと対立したこともある。

ホフマン氏は最近、マスク氏が推進する米政府改革や連邦支出の削減についても懸念を示している。

今回のインタビューで、科学研究所や研究、大学への政府資金削減が、米国の技術的な優位性を損なう恐れがあると指摘。「科学は米国の技術的優位性を築き上げた手段の一つだ」と語った。

AIの研究への資金提供などで政府の役割を縮小するトランプ政権の動きは、業界で論争を呼んでいる。批判派は中国を利すると警告。一方、ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)のクラチオス局長は、資金提供について「賢い選択」が必要で、研究資金の使途を見直す必要があるとの見方を示している。

原題:Reid Hoffman Says Tariffs, Spending Cuts Could Hurt US AI Lead(抜粋)

--取材協力:Edward Ludlow、Caroline Hyde.

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