半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表した1-3月(第1四半期)の売上高は市場予想を上回った。米国による関税発動前の人工知能(AI)サーバーやスマートフォンの需要拡大を反映した。

米エヌビディアやアップルなどを顧客とするTSMCの1-3月の売上高は前年同期比42%増の8392億5000万台湾ドル(約3兆7400億円)。アナリスト予想平均は約8305億台湾ドルだった。同社は来週、1-3月期決算を発表する。

TSMCにとって今回の伸びは2022年以降で最も大きくなった。電子機器メーカーは貿易や輸送の混乱を想定し、米国の倉庫に在庫を積み上げていた。

関税がアップルのスマートフォン「iPhone」など電子機器の需要にどのような影響を及ぼすのか懸念が広がっているタイミングで、1-3月の売上高が公表された。週末には、関税発動で生じる追加コストの転嫁による値上げを心配した客がiPhoneを購入しようと店に殺到した。

TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領は3月、米国の半導体製造に1000億米ドル(約14兆6500億円)を追加投資することを共同で発表。製造業の米国回帰というホワイトハウスの目標を後押しした。

より幅広く見ると、データセンターやAIチップへの投資ペースがやや減速しつつある可能性を示す兆しもある。マイクロソフトは世界でプロジェクトを縮小し、計画の再考を示唆している。

原題:TSMC Sales Beat Estimates as AI Demand Soars Ahead of US Tariffs(抜粋)

--取材協力:Mark Anderson.

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