(ブルームバーグ):インターネット検索エンジン中国最大手の百度(バイドゥ)は16日、新たな人工知能(AI)推論モデル「Ernie(アーニー)X1」 を発表した。DeepSeek(ディープシーク)などの競合企業が台頭する中で、巻き返しを図る。
中国のAIスタートアップ、ディープシークは今年に入り、米国のAI大手よりもはるかに低コストで高性能AIモデル「R1」を開発したと発表し、シリコンバレーに衝撃を与えた。百度はX1について、日常会話や複雑な計算、論理的推論などの分野でR1を上回っていると資料で明らかにした。
百度は次世代の基盤モデル「アーニー4.5」も公表するとともに、予定より数週間前倒しで、同社のチャットボットユーザーへの全サービスの無料提供を即時実施した。

百度は中国でいち早く、米オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」をモデルとした対話型AIをスタートさせたが、すぐに字節跳動(バイトダンス)や月之暗面(ムーンショットAI)の対話型AIに人気を奪われた。
また、アリババグループの通義千問(Qwen)やディープシークのようなオープンソースモデルは、世界の開発者コミュニティー内でより高い認知度を得ている。
百度は幾つかの業界ベンチマークを引用し、テキスト生成においてアーニー4.5の性能はオープンAIの最新モデル「GPT 4.5」を上回っていると説明。
百度はまた、6月30日からアーニーのAIモデルをオープンソース化すると表明した。ディープシーク台頭を受けた大きな戦略転換となる。
原題:Baidu Releases Reasoning AI Model to Take On DeepSeek(抜粋)
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