(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、フランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁は、米国による暗号資産(仮想通貨)やノンバンク金融の後押しは、次の金融非常事態を引き起こすリスクがあると警告した。
ビルロワドガロー総裁は、仏経済紙トリビューヌ・ディマンシュとのインタビューで、「米国には不注意による過失の危険がある。金融危機は米国で発生し、世界中に広がることが多い。暗号資産やノンバンク金融を奨励することで、米政権は将来の混乱の種をまいている」と語った。
欧州の監督体制は安全性がより確保されており、ユーロ圏で銀行危機が起きるリスクはないと同総裁は主張した。
ビルロワドガロー氏は、ユーロが国際的により重要な役割を担うべきであり、「(欧州は)国際投資家をわれわれの通貨に引き付けることができる強力な貯蓄・投資同盟を構築する必要がある」と述べた。
トランプ米大統領は、昨年の大統領選キャンペーンを通じて暗号資産の積極的な支持者となり、「戦略的ビットコイン準備」に加え、他のデジタル資産の「ストックパイル(備蓄)」も別途設けるよう求める大統領令に署名した。米証券取引委員会(SEC)は、トランプ氏の就任時にゲンスラー前委員長が退任して以降、暗号資産企業に対する12件前後の訴訟見直しに動いた。
原題:ECB’s Villeroy Says US Crypto Support Sows Seeds of Future Shock(抜粋)
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