英ロンドンを本拠とする自動運転スタートアップのウェイブ・テクノロジーズは、大手自動車メーカーとの商業サービス開始に近づいている。同社は昨年、ソフトバンクグループを含む投資家から10億ドル(約1470億円)余りを調達した。

ウェイブのアレックス・ケンドール最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「近い将来」に米国とドイツで世界の大手自動車メーカーとともに運転支援システムを立ち上げると述べた。立ち上げに向けた具体的なスケジュールや自動車メーカーの名前については明言を避けた。

またウェイブは10日に新たなデータを発表。同データでは、人工知能(AI)を搭載した同社のソフトウエアが既存のアプローチよりも速く、かつ低コストで米国の運転環境に適応可能だとしている。

ウェイブは、同社運転支援システムの試験を英国以外にも拡大している。昨年10月にサンフランシスコで実施したほか、今年3月に入りドイツでも開始した。ウェイブは発表文で、同社のAIモデルは米国特有の道路インフラや標識、交通法規、運転挙動に「急速に適応」してきていると説明した。ウェイブのAIモデルは、何時間にも及ぶ走行データを取り込むことで、広範なマッピングや交通ルールの事前のプログラミングなしに周囲の状況を理解し、運転を支援する。ウェイブにはソフトバンクグループのほか、エヌビディアやマイクロソフト、ウーバー・テクノロジーズなどが支援している。

10日に発表されたデータでは、8週間にわたって収集した米国特有のデータ500時間分のみで、英国と同等のパフォーマンスを達成できたと説明している。

ケンドールCEOは「新たな市場に進出するたび、効率性は指数関数的に高まっている」と述べた。

原題:SoftBank-Backed Self-Driving Firm Wayve Nears Commercial Debut(抜粋)

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