ストラクチャード・ファイナンスとプライベートクレジットの分野で報酬パッケージが急増している。両分野とも、ニューヨークとロンドンで人材獲得競争が過熱している。

クレジット業界の人材紹介会社RCQアソシエーツがまとめたデータによると、米国における2024年の転職者の平均昇給率は21%に上昇した。同じ職にとどまった従業員では報酬は16%上昇。ボーナスの増加が背景にある。

RCQの創業ディレクター、エドワード・ジェームズ氏はブルームバーグに対し、「このセクター、特に資産担保金融の分野は、報酬水準がクレジット分野の中で最も急速に上昇している」と語った。

ブルームバーグが確認したRCQの顧客充てリポートによると、競争が最も激しかったのはバイスプレジデントの役職だった。一方、アナリストやアソシエートといった役職では外部からの採用は減少した。

リポートによれば、プライベートクレジット会社の米国拠点のマネジングディレクターは通常、100万-200万ドル(約1億5000万-3億円)の年間報酬に加え、3-15%のキャリードインタレスト(成功報酬)を受け取る。一方ロンドンでは、報酬の合計は60万-150万ポンド(約1億1500万-2億8600万円)だ。

米国における役職別の報酬

資産担保融資は成長分野と考えられており、同分野での採用は特に活発だ。コンサルティング会社マキシマイズ・マーケット・リサーチの推計によると、市場規模は2023年に6250億ドルだったが、このままいけば2030年には1兆3000億ドルに達する見通し。

RCQによれば、銀行や資産運用会社が引き続き人員を増やすと考えられる分野は他に、ローン担保証券(CLO)と商業用不動産担保証券(CMBS)。合成リスク移転(SRT)の分野での採用は特にロンドンを中心に活発になっており、こちらも高水準が続くと見込まれるという。

原題:Private Credit Paychecks Jump as Asset-Based Lending Expands(抜粋)

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