世界の高級ブランド大手3社が昨年欧州でオープンした店舗は29店にとどまり、2023年から20%減少した。業界の減速をあらためて示唆した。

不動産仲介業者クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、クリスチャン・ディオールやティファニーを傘下に持つLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの店舗のオープン件数は15件。リシュモンは11件、ケリングは3件だった。23年には3社合計で36店をオープンしていた。

この減速は、高級ブランド業界の不安定な回復を反映している。新型コロナウイルス禍後に需要は急増したが、その後は特に中国人消費者などの支出が低迷している。

世界の全ての高級ブランドが昨年に欧州12カ国でオープンした店舗は83店にとどまり、23年の107店から減少。ただ、これは一等地の店舗スペース不足も原因だと、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのEMEA(欧州・中東・アフリカ)小売業界責任者ロバート・トラバース氏が指摘した。

パリのシャンゼリゼ通りやロンドンのボンドストリートなど、調査対象となった20の主要な高級ショッピング街で、昨年の店舗の空室率は10%未満。そのうち六つのショッピング街で空室率はゼロだった。高級ブランド店の賃貸料は引き続き上昇しており、24年には平均3.6%上昇した。

 

原題:Luxury Slump Hits Shop Openings Across Europe’s Toniest Streets(抜粋)

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