(ブルームバーグ):ソニーグループは、日本銀行の早期追加利上げ観測で国債利回りに上昇圧力がかかる中、約1年ぶりに円建て社債を条件決定した。

ソニーGは28日、5年債と10年債の2本で総額1100億円を起債した。10年債の国債スプレッド(上乗せ金利)は34ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、ブルームバーグのデータによると、2024年3月に発行した前回の10年債より5bp高い水準となった。
日銀の利上げ継続観測から金利の先高観が強い中、日本企業の間で社債発行の動きが相次いでいる。ブルームバーグのデータによると、今年度の発行額は既に15兆5000億円に達し、年度ベースで過去最高額を更新。日本の新発10年国債利回りは先週、一時1.455%と09年11月以来の高水準に上昇した。
金利変動リスクをできる限り回避するため、企業は社債発行までのプロセスも急ぐ。ソニーGは今回、発行体や引受証券会社、投資家が価格水準について協議する「ヒアリング」を廃止し、3日間の需要調査を直接開始。昨年と比べ、社債発行にかかる期間が全体で3日短縮された。ソニーが昨年費やした起債運営期間は6日で、このうち2日は投資家のサウンディング、4日が需要調査だった。
起債運営期間の短縮化に際し、ソニーGは1年ほどかけて起債情報以外の企業情報を投資家に提供するノンディールIRを実施。起債計画の公表後は、社債投資家など債権者に対し広報を行うデットIRを主要な投資家11社と行った。その結果、昨年と比べ条件決定までの期間が短縮されたという。
野村証券の森健太郎マネージング・ディレクター兼デット・シンジケート・マーケティング課長は、期間の短縮が発行体と投資家にメリットがあるということを前提に、「広げていくべきだ」との考えを強調。社債市場では来年度も一定の供給量が想定され、起債を円滑に進めていくためにソニーGの事例を踏まえ、既に幾つかの発行体と話をしていると明かした。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調査部長は「発行体の知名度が高く、業績が安定していることが投資家に知れ渡っていれば、短いマーケティング期間でも受け入れられる可能性が高い」との認識を示した。
野村証によると、ソニーGの5年債に対する需要は2.3倍、10年債は1.5倍。投資家には生命保険会社や損害保険会社、都市銀行、投信投資顧問などが含まれていたという。
(5段落1行目の主語を「ソニーG」に訂正します)
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