(ブルームバーグ):米マイクロソフトは19日、ビデオゲームのシーンを作成できる人工知能(AI)ツール「ミューズ」を発表した。通常なら人間によるプログラミングやアニメーション化が必要なシーンの作成が可能だ。
ミューズは、マイクロソフトのゲーム機「Xbox(エックスボックス)」のゲーム利用者やそのコントローラーから収集したデータを使って開発された。同社によれば、この種のモデルとしては初めてのものだという。
機械学習の研究チームは、生成AIがどのように役立つか、またそうしたツールが効果を発揮するためには何が必要かを判断するため、ゲーム開発者を対象に調査を行ったと、マイクロソフトのシニアプリンシパル・リサーチマネジャー、カティア・ホフマン氏は説明。その後、AIモデルの訓練に向け、同氏のチームはマルチプレーヤーバトルゲーム「ブリーディングエッジ」の7年分のゲームプレーデータを収集した。
「AIで生成されたゲームプレーの映像を見たことがなければ、これらはただのビデオゲームのクリップだと思うかもしれない」と、ホフマン氏は報道陣へのデモンストレーションで述べた。ミューズは英科学誌ネイチャーで発表された。
マイクロソフトのXboxチームや他の業界関係者は、ヒット作に通常費やされる多額のコストを削減するため、AIの活用に意欲的だ。ここ数年は売り上げが伸び悩んでいるにもかかわらず、コストは急増している。
ただ、生成AIがゲームの質を低下させるとの疑念の声もあるなど、意見は分かれている。また、既に相次ぐレイオフに見舞われているスタジオの従業員は、今回の技術導入により人員削減がさらに進むと懸念している。
原題:Microsoft Debuts Generative AI That Creates Video-Game Scenes(抜粋)
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