(ブルームバーグ):米ニュージャージー州の上空を飛ぶ謎の大型無人機(ドローン)を目撃したという証言が相次いでいる。目撃情報を巡り、最近浮上している仮説が住民を不安にさせている。
イランが送り込んでいる、未確認飛行物体(UFO)だなどという見方もあり、州議会が連邦政府に対しどこから無人機が飛来したのかや、その危険性について回答するよう求めている。
連邦捜査局(FBI)ニューアーク支部と州警察、ニュージャージー州国土安全保障・準備局は、「無人機と固定翼機の可能性があるものの群れ」をここ数週間に目撃したとの証言があると発表。地元当局は住民に対し、何らかの情報があれば通報するよう呼びかけた。
フロラムパーク警察のジョセフ・オーランド署長は、貯水池や送電線、鉄道の駅、警察署、軍事施設などの重要なインフラ上空を無人機が旋回しているのが目撃されているとフェイスブックに投稿。目撃例は毎晩発生しており、日没直後から始まり、早朝まで続いているという。
国防総省のサブリナ・シン報道官は11日の記者会見で、「現時点でこれらの活動が外国の組織によるもの、あるいは外国の敵対勢力によるものだという証拠はない」と述べ、「米軍のドローンではない」とも説明した。
ホワイトハウスは12日、合法的に運用されている航空機であるように見えるとコメント。FBIと国土安全保障省は報告された目撃情報について、電子探知では一切裏付けがないと指摘した。
ニュージャージー州議会によると、今後数日の間に、連邦政府から無人機専用のレーダーが同州に提供される予定。
謎の飛行物体を目撃したとの情報は、保守やリベラルといった枠組みを超え懸念や陰謀論を引き起こしている。
米政府は昨年2月、米本土上空に中国政府が偵察気球を飛ばしていると批判したが、その時と似た状況にもなっている。当時、共和、民主両党から非難の声が相次ぎ、当局は高官の中国訪問を延期せざるを得なかった。
ニュージャージー州選出のジェフ・バン・ドルー下院議員は11日の公聴会でイランの関与を示唆し、連邦政府に対して無人機による被害の可能性を回避するため、セキュリティーなど対策を強化するよう促した。国防総省は、イランに関する同議員の主張を否定している。
コリー・ブッカー上院議員によれば、州を含む地元当局が目撃情報を確認したため、FBIが捜査を開始し、連邦航空局(FAA)が州内にあるゴルフ場「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ・ベッドミンスター」など特定の場所上空での飛行を制限した。
同議員はFBIと国土安全保障省、FAAに対し、正体不明の無人機の活動について把握している情報をできるだけ早く地元当局に報告するよう要請した。
ニュージャージー州のマーフィー知事は(民主)はあらゆるレベルの行政当局が、公共の安全に対する脅威や無人機に生命体が存在する証拠を一切確認していないと述べ、懸念を和らげようとしている。
同知事は今週、「恐怖をあおるようなことはやめよう。陰謀論が多い」とラジオの電話インタビューで語った。ただ、連邦政府がより「しっかり役割」を果たすことを望んでいるとの考えを示し、連邦政府が無人機の1機を撃墜するなどの措置を取ることに反対するつもりはないと話した。
自ら行動を起こして真実を明らかにしようとしている住民もいる。
謎の解明を目指すフェイスブックのグループ「ニュージャージー・ミステリー・ドローンズ」は、すでに3万2000人近いメンバーを集めた。州内各地から無人機との遭遇体験を語ったり、その存在が意味する可能性のあるものへの不安を訴えたりする人々が参加している。
原題:New Jersey Drone Mystery Sparks FBI Probe, Resident Hysteria (1)(抜粋)
--取材協力:Akayla Gardner、Josh Wingrove.
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