(ブルームバーグ):米ウォルト・ディズニーが初めてアジアを拠点に運航するクルーズ船の乗船チケットが今週発売される。同社はシンガポールの観光ブームに乗って、クルーズ事業の野心的な目標を実現しようとしている。
シンガポール発着の「ディズニー・アドベンチャー」の一般予約受け付け開始は12月10日。ただ、ディズニーのクルーズ・ロイヤルティー・メンバー向け先行予約は既に始まっている。
ディズニー・クルーズライン(DCL)の東南アジア地域担当ゼネラルマネジャー、サラ・フォックス氏は「この船は業界に革命をもたらすだろう。あらゆる面で入念に作り込まれている」と語った。
同社最大のクルーズ船となるディズニー・アドベンチャーの運航開始は2025年12月15日の予定。乗客約6700人の収容が可能で、総トン数は20万8000トンと、米国で今月就航する「ディズニー・トレジャー」を約44%上回る。
少なくとも5年間はシンガポールがディズニー・アドベンチャーの母港となる。同国政府観光局のクルーズ開発グループディレクター、ジャクリーン・ウン氏は、この船がその期間に呼び込む国内外の乗客は数百万人に上ると予想している。
シンガポールの昨年のクルーズ船乗客数は200万人と過去最高を記録。その半数余りを海外からの顧客が占めていた。
ディズニーは新型コロナウイルス禍後の世界的な旅行回復の波に乗ろうと態勢を整えており、今後10年のテーマパークおよびクルーズ船事業への投資を2倍に拡大する計画だ。クルーズ船の数も現在の5隻から31年までに13隻に増やすことを目指している。
ディズニー・アドベンチャーにはディズニーやピクサー、マーベルの映画をテーマにした7つのエリアがあり、同社のテーマパークと同様のライド系アトラクションやライブショーのステージ、レストラン、ショップが設置される予定。
また、船内のレストランではインドや日本などのアジア料理を中心とする食事が提供される。
乗客は3-5泊の滞在プランから選択でき、初航海の客室料金は大人2人で1564ドル(約23万4800円)から。オーシャンビューの客室で4人家族が3泊する場合は約3400ドル。さらなるアップグレードを求める乗客向けに、映画「アナと雪の女王」をテーマにしたスイートルーム2室も用意されている。
原題:Disney’s Largest Cruise Ship Targets Asia with Marvel Heroes(抜粋)
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