米国で大きな分断を招いた今回の大統領選を受け、一部の米国人は海外移住を検討している。

業界の複数のコンサルティング会社によると、不動産購入や他の投資を通じて在留資格が得られる「ゴールデンビザ(査証)」に対する関心が、トランプ前米大統領の返り咲きが決まってから急速に高まった。

リスボンの集合住宅

この制度を巡っては一部の国・地域や欧州連合(EU)で最近、後退させる動きもあるが、ポルトガルやギリシャなど複数のEU加盟国でなお利用できる。自国を離れるのに必要な資金と柔軟性を持つ裕福な米国人や外国人になお人気だ。

ビザコンサルティング会社ラ・ビダ・ゴールデン・ビザズのポール・ウィリアムズ最高経営責任者(CEO)は「必要なら移住する計画を立てている人が大勢いる」とした上で、大統領選翌日には米国人から「津波」のように関心が寄せられ、自社ウェブサイトのアクセスが23倍に膨らんだと説明した。

高まる関心

移住を手掛けるヘンリー・アンド・パートナーズによれば、米大統領選が行われた週に米国人からの問い合わせ件数は前週の4倍に急増。また、今年これまでの申請件数は昨年同期比約25%増えたという。ゲット・ゴールデンビザでは選挙後数日間にウェブサイトへのアクセス件数が9倍に達したと、マネジングパートナー、ムラト・コスクン氏が明らかにした。

近年、ゴールデンビザは米国人の間でますます人気が高まっているが、取得は難しくなっている。欧州の一部の国では、海外からの移住が不動産インフレを引き起こしているとの懸念からこの1年に規制が強化された。

原題:Americans Weigh Golden Visa Options in Aftermath of Trump Win(抜粋)

--取材協力:Samuel Stolton、Henrique Almeida、Thomas Gualtieri.

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