中国政府の支援を受けたハッカーが「広範かつ大規模なサイバースパイ活動」を展開し、複数の通信会社のシステムを侵害したと米当局が13日の声明で確認した。

米国の安全保障に重大な影響を及ぼすサイバー攻撃の詳細に触れたこの声明によれば、ハッカーは通信会社のネットワークに侵入し顧客の通話記録を不正に取得したほか、「限られた人数」の政府関係者や政治家の通信にアクセスした。

声明は「捜査の進展に伴い、これら不正アクセスに関するわれわれの理解は深まるだろう」としているが、被害に遭った通信会社の社名は明示していない。

米政府によると、連邦捜査局(FBI)とサイバー・インフラ安全局(CISA)がこの問題の解決に向け支援しており、潜在的な被害者と共同で取り組んでいる。

首都ワシントンにある中国大使館の担当者にコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は10月、AT&Tとベライゾン・コミュニケーションズが不正侵入の被害に遭い、ハッカーらは、裁判所の許可を得た通信傍受の要請のために政府が使用するシステムにアクセスした可能性があると報じた。

事情に詳しい関係者によれば、米情報当局はマイクロソフトが「ソルト・タイフーン」と名付けた中国のハッカー集団が数カ月にわたり米通信会社に侵入し、合法的な通信傍受のためのアクセスポイントへのルートを見つけた可能性があるとみている。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ハッカーらはトランプ次期大統領やバンス次期副大統領、トランプ氏の家族、ハリス副大統領陣営のスタッフなどの携帯電話を標的にしたとみられる。

米捜査当局はなお事件の究明に取り組んでおり、まだ全容を把握していないと関係者は説明。標的にされた人数を特定し、事件を完全に解明したと確信するまでには時間がかかる見通しだという。

この問題に詳しい別の関係者によれば、米当局は通信会社を含む数十の組織に対し、ソルト・タイフーンの標的になっていると警告した。

米議会スタッフは先週、情報機関からソルト・タイフーンの不正アクセスに関するブリーフィングを受けた。事情に詳しいスタッフが明らかにした。このブリーフィングについてはサイバー攻撃関連ニュースサイトのサイバースクープが先に伝えていた。

国務省当局者は、政府省庁間のやり取りを通じ情報を入手し、数週間前からソルト・タイフーンのサイバー攻撃について知っていたと語った。

この当局者は、敵対国による侵害に備えて通信の安全を確保したと当局が見なしていた箇所でハッキングが行われたことが懸念されるとし、この攻撃は標的が広範にわたっており、多くのセクターに影響を及ぼし得ることから脅威だと指摘した。

原題:US Accuses China of Vast Cyber-Espionage Against Telecoms (1)(抜粋)

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