【次女への殺人未遂について】
検察側は殺人未遂罪でも被告を起訴している。裁判では被告が事件後の取り調べで「バドミントンのスマッシュのようにナタを頭部に叩きつけた」「家の中にいれば死ぬまで叩きつけて殺すつもりだった」などと供述していたと明らかにした。
また、検察側の証人である整形外科医は「一回の殴打で死亡する危険性があった」と証言した。

一方、弁護側は夫婦を襲っている最中に、急に現れた次女にとっさにナタを振り下ろしたため頭を狙ったわけではなかったとし、殺人未遂罪は成立しないことを主張した。

【責任能力について】
責任能力についても検察側と弁護側は対立している。
検察側は養父の虐待をきっかけに感情調整や対人関係が苦手となった「複雑性PTSD」などの精神障害があるとしている。

しかし犯行を計画し凶器などを事前に準備していることなどから、「判断や行動をコントロールする力は低下していたものの、健康的な人でも起きる程度」と指摘し、犯行時に完全責任能力があったと主張した。

一方弁護側は、被告は心神耗弱状態だったと主張。臨床心理士の証人尋問で被告は母親に就職先を勝手に決められ、これまでの努力が無駄になった絶望感などで「限界状態だった」と指摘した。

裁判はこれまで20回の公判が開かれ、12月11日に論告求刑が行われる。

この日、検察はどのような刑を求めるのか、
また、これまで被害者に謝罪の言葉がなかった被告は最終陳述で何を話すのか。

なお、判決の日程は後日、決められる。