甲府市中心街のコーヒー店で、耳の非自由な人たちに“あるもの”が役に立っています。
1人の中学生のやさしさから生まれた取り組みです。

甲府市中心街で地域に親しまれている、寺崎COFFEE。

指し示しているのは「コミュニケーションボード」。
耳の不自由な人のために作られました。

寺崎COFFEE 寺崎亮代表:
指さしでご案内したり、持ち帰りか店内かがすごく案内しやすくなって。障害のある方だけでなく海外の方、高齢の方、とてもスムーズにコミュニケーションできます。

このボードを考えたのは、山梨学院中学3年の水越葡乃さん。
授業で聴覚障害者と接した経験がきっかけです。

山梨学院中学3年 水越葡乃さん:
耳の聞こえにくいことで、疎外感とか不安とか、買い物しているときでも「自分が迷惑をかけているかも」という気持ちになったりしているという話も聞いたので、そのような思いをしている人の手伝いを少しでも出来たらいいなという思いで。

イラストや英語表記、さらに注文の流れに沿って配置されています。

取材をした28日、店には「ある夫婦」の姿が。

来店者は:
本当に役にたちますね。妻が耳が聞こえないということで、自分も外国人ということもありまして、聞き取りづらい時はあって、指で指していただいて、こういうことなんだって非常に効率的にわかることができるので、とても便利なもの。

水越さんのやさしさはしっかりと伝わっています。

来店者は:
障害者の世界から抜けられない人たちはまだまだたくさんいるので、こういうことが些細なことだけれど、普通の聞こえる人たちと会話ができるのが重要なことだと改めて感じましたので、すごくありがたいことなんですよ。

1人の中学生のやさしさから生まれたボード。
水越さんは、それが特別でなくなることも願っています。

山梨学院中学3年 水越葡乃さん:
他の店とか公共施設にも、もしよければ設置をしていきたいなと思っていて。特別なものというわけではなくて、当たり前にそういうものがあって、全然使ってもいいような世の中になっていってほしい。