日本が未曾有の経済成長を記録し、人口が1億人を突破した昭和40年代、喜久乃湯温泉には毎日1000人を超える客が押し寄せていました。
脱衣所は今も残る藤製のかごが床いっぱいに並び、足の踏み場は無かったそうです。
喜久乃湯温泉 3代目 平賀理恵子さん:
「家族連れも多かったし、赤ちゃんも多かった。昔は夫婦、親子、兄弟、子ども同士でも入っていた」

昭和41年(1966年)に建物を改築し、湯舟の数を2つから4つに増やしました。
銭湯が人々の生活に無くてはならなかった時代は、人情味にあふれた時代でもありました。
喜久乃湯温泉 3代目 平賀理恵子さん:
「小さいころから通っていた人も、よく先代の義父に怒られたって。小学生ぐらいで走り回ったりすると『コラ』って言われたり、あと近所のおじちゃんにも怒られるっていう時代だった」
その銭湯は今も改築した当時のままです。