「当日を思い出すと、僕は飛行機が突っ込んできたと思った。ゴォー ドン ゴォーっていってるから、それが抜け落ちる音やんな」

ゆりの会のメンバーの一人、郷上勲さん84歳。

地すべりが起きた斜面から200mほど離れた場所に自宅がある郷上さんは、当時の忘れられない光景があるといいます。

ゆりの会 郷上勲さん:
「ちょうどこの辺やね。この辺ぐらいだと思うな、煙があがったの」
「『火事や』ってなって、近所の人が誰となく交互にバケツで水で、水が無いから社宅の下に水槽があって、そこで水をくんでダーッとここまで」
「ようあんなことが、誰も声かけてないけど、あの光景が忘れられない」

地域住民が協力し合う姿です。

自衛隊などが到着するまでの間、地域住民や近くの学生たちが持ち寄ったバケツで消火活動をし、スコップで固く重い土を掘り返しました。

ゆりの会 郷上勲さん:
「あとから思えば、もうほんまに何にもできなかったですよ。だけど僕が思うのは遠くの親戚より近所のあれやと、その想いです」
「手伝うパワーはすごいですよ。あのパワーっていうのは」