おととし8月、下関市で実の兄を殺害し、兄の妻も殺害しようとしたとされる男の裁判員裁判です。

山口地裁は男に懲役20年の実刑判決を言い渡しました。

判決を受けたのは、下関市豊浦町宇賀の無職 森本和夫被告です。

判決によりますと、森本被告はおととし8月、自宅近くの空き地で兄・哲夫さんの左胸などを包丁で何度も刺して殺害。同じ場所にいた兄の妻の左胸を包丁で刺して殺そうとしました。

裁判では、兄の妻への殺意があったかが争点になっていました。

きょうの判決公判で小松本卓裁判長は「兄の妻がぶつかってきたため包丁が刺さったという森本被告の供述は、傷や現場の状況に整合しない」と指摘。

その上で、「母の遺産をめぐって兄夫婦に不満を感じていたとしても、殺害という飛躍した決断をした点には厳しい非難を加えることができる」として、検察側の求刑どおり、懲役20年の実刑判決を言い渡しました。