2021年8月、山口県下関市で実の兄を殺害し、兄の妻も殺害しようとしたとされる男の裁判員裁判が始まりました。男は起訴内容を一部否認しました。
殺人などの罪に問われているのは、下関市豊浦町宇賀の無職・森本和夫被告(69)です。起訴状によりますと森本被告は2021年8月、自宅近くの空き地で兄・哲夫さんの左胸などを包丁で何度も突き刺して殺害。同じ場所にいた兄の妻を殺そうと左胸を包丁で刺してけがをさせるなどしたとされます。
山口地裁で開かれた初公判で森本被告は「兄を殺したことは間違いないが、兄の妻を殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認しました。冒頭陳述で検察側は「死亡した母親の通帳や位はいの管理をめぐって、兄や兄の妻への不信感を募らせ犯行に及んだ」と動機を明らかにしました。一方弁護側は、森本被告が現場に駆けつけた通報者に「俺が刺した。警察を呼べ」と話したことなどから自首が成立すると主張しました。この事件は裁判員裁判で審理され、判決は2月24日に言い渡される予定です。