mixで2021年に紹介した特集から、年末年始に家族で楽しんでもらいたい話題をピックアップしました。

(2021年3月取材)
山口県宇部市立常盤中学校、2021年3月まで、中学校で唯一購買部がありました。生徒に囲まれる購買部の原田澄恵さん。54年務めてきた常盤中学校の購買部を退職します。見送った卒業生の数は17078人。購買部のおばちゃん、最後の日に密着しました。 

原田さん
「これ100円、これは80円・・・」
中学生
「このペン全部買い占める・・・」


ディレクター
「ほとんど文房具がないですが?」
原田さん
「ないです、みな売れたんです。ノートもびっしりあったけど。辞めるのにこれだけの売り物があったらどうしようかと思ったけど、みんな買ってくれた」

常盤中学校に購買部ができたのは1962年。その4年後、1966年から原田さんは立ち続けています。

原田さん
「初めはものを覚えるのが精いっぱいでした。文房具を。昔は土曜日に授業があり、午後からは部活があるので、パンとかヨーグルトも売っていました。その時は人数が多かったから。土曜の1時間そこそこで、1000個を超えるくらい売れていた」
ディレクター
「目の前の景色は変わりましたか?」
原田さん
「ずいぶん変わりました。そこに大きい木があるでしょ。小さかったのに、50年であんなに伸びてしまった」

半世紀、カウンター越しに眺めたフェニックスの木が、こんなに大きくなった時。原田さんは、購買部のおばちゃんを辞めることを決断しました。

ディレクター
「閉店を決めた理由は何ですか?」
原田さん
「1日立っておくのがつらいから、急に校長に言ったんです。言ったらびっくりされていたけど『しょうがないね』って」