山口市吉敷地区ではクマの目撃が相次いでることを受け、県は30日、緊急で対策会議を開きました。

会議は、山口市吉敷地区でクマが小学校周辺などで目撃されていることや、不安が増大していることなどから、急きょ県が開催。市、警察、学校関係者など、約20人が出席しました。

吉敷地区では10月に入り、29日までに5件のクマの目撃がありました。けがをした人はいませんが、そのうち1件は、良城小学校からわずか30メートルの場所でした。学校では目撃があった翌日から職員が登下校を見守り、窓を開けないなどの対策を現在もとっています。

会議では、今後の対応について協議され、広報車での注意喚起や警察のパトロールエリアを広げるなど、一層強化することなどを申し合わせました。

吉敷地区ではクマの目撃情報はあるものの痕跡が確認されていません。県は「クマがまだエサのある場所として認識していない可能性が高い」と分析していて、クマに食べ物を与えたり放置したりしないよう関係者に呼びかけました。また、吉敷地区内に箱わなを1基設置したということです。

県自然保護課 横田僚介課長
「各機関と連携して人身被害を起きないように取り組みを進めていく必要があると考えています」

県によると、県内のクマの目撃数は10月から11月にかけて減る傾向ですが、冬眠に備えてどんぐりや柿の実を食べに人里に下りてくる可能性があるということです。クマに出会った場合は背中を向けずにゆっくりと後ずさりしながら逃げることなど、出会ってしまった時の対処法を改めて確認することが重要です。