災害時などに最前線で活動する山口県警の組織があります。機動隊です。人の命を守るため隊員は日々、訓練を重ねています。

県警機動隊には40人が所属していて、ほとんどが20代後半です。災害現場など危険を伴う場所への出動に備え訓練しています。

現場は県内だけではありません。去年1月の能登半島地震など、大きな災害が起きると現場に駆けつけ、被災者の救助や行方不明者の捜索に当たります。

機動隊の車両は25台です。人命救助に使うレスキュー車や、祭りなどのイベント会場で警備に当たる指揮官車などがあります。指揮官車はDJポリスが使う車両です。

隊員は柔道や剣道のほか防護盾を使った制圧訓練、救出訓練などに取り組んでいます。29日にロープを使った救出訓練が公開されました。

高さ12メートルの2つの塔をつなぐおよそ20メートルのロープを渡ります。渡り方にもいくつか種類があります。

ロープに対して体が上にくる「セーラー渡過」猿が木にぶら下がるように渡る「モンキー渡過」腕の力だけで渡る「チロリアン渡過」です。オーストリアのチロル地方の民族が、谷を渡るときに使っていたことが由来とされています。

「チロリアン渡過」に記者が挑戦しました。

小原大空翔記者
「今からこの高さ12メートルある場所から渡っていきたいと思います。発進!小原行きます」

記者は18秒かかりましたが、隊員は10秒ほどで渡るということです。日々の訓練のたまものです。

隊員にとって一息つけるのが昼食の時間です。この日のメニューは隊員から大人気のカレーでした。しっかり食べて、午後からに備えます。

県警機動隊 森田達成さん
「県外の災害現場に行ったりなど、そういったことができるのは機動隊ならではの仕事だと思っています。人の役に立てているのがやりがい」

災害などの現場では速さや正確さ、冷静な判断が求められます。隊員は過酷な訓練でみずからを鍛えています。