1942年、宇部市の海底炭鉱が水没する事故がありました。
犠牲者の遺骨の発掘を進めるため、25日、遺骨があるとみられる坑道に入れるかを確認する潜水調査が始まりました。
かつての長生炭鉱の潜水調査に着手したのは、水中探検家の伊左治佳孝さんと「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」のメンバーです。
太平洋戦争のさなか起きた長生炭鉱の水没事故では、朝鮮半島出身者136人を含む183人の労働者が犠牲になりました。
犠牲者は今も炭鉱の中に残されたままとなっています。
今回の調査は、犠牲者の遺骨の発掘を進めるため、炭鉱の排気筒・ピーヤから、炭鉱の坑道に入れるかを探ることが目的です。
初日の25日は波が高かったため、ピーヤに登るための足場が設置できず、潜水は実施できませんでした。
水中探検家 伊左治佳孝さん
「ピーヤのコンクリートは、まだ強度がある状態だったかなということだったので、足場さえ組めれば入れる。無理やりやったらできるかもしれないんですけど、誰かがけがしたとかになると、今後の調査自体に影響が出るので」
会は、1997年に同様の潜水調査を行っていて、ピーヤ内の水が濁り、突起物が多いことなどが確認されています。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 共同代表 井上洋子さん
「あの中に入って遺骨に近づけるというのは、間違いないことなので、再挑戦を試みたいなという風に思います」
早ければ7月末にも潜水調査を行う方針です。