東北地方の離島で複数の南方系のマダニが確認されたとして、南方系マダニの北への拡大の可能性があると山形大学が発表しました。
山形大学によりますと、山形大学学術研究院の小峰浩隆博士や森林研究・整備機構森林総合研究所の岡部貴美子博士らの研究チームが、東北地方の離島で複数の南方系のマダニの生息を確認したということです。
離島での調査は2021年に行われ9種類145個体のマダニが採取されました。その中にヤマアラシチマダニやタカサゴチマダニなど、南方系のマダニ5種類が確認されたということです。こうした南方系のマダニは、西日本や東南アジアでは確認されているものの、北日本ではほとんど報告されていないということです。
これまで知られていた地域よりも北に位置する、東北地方などに南方系のマダニが進出しつつあることを示唆しているとしています。
また、今回調査が行われた離島には、哺乳類がほとんど生息していない一方で、渡り鳥にとっては重要な中継地になっていて、こうした離島が気候変動等により南方系のマダニが分布拡大する際の最前線・中継地になっている可能性があるということです。
近年、感染症を媒介するマダニ類の分布拡大が世界的に問題となっていて、日本でも日本紅斑熱やSFTS(重症熱性血小板減少症候群)といった感染症をマダニが媒介するとして懸念されています。
研究チームでは、こうした研究を活用し、マダニが媒介する感染症のリスクの低減につなげていければとしています。
採取された南方系マダニの写真は画像で紹介しています。







