蔵王では、樹氷になる「アオモリトドマツ」が、10年ほど前から、虫の食害に遭い、枯れる被害が出ています。
冬のシンボルの再生に向け、11日、新たに植樹活動が始まりました。

山形県や山形市、蔵王周辺の観光団体などでは、今年3月、樹氷の再生を目指し、樹氷復活県民会議を立ち上げました。

担当者「これがオオシラビソ(アオモリトドマツ)の稚樹です。日当たりのいい場所にけっこう成育している」
11日の活動は、これから育つアオモリトドマツの稚樹を、比較的被害の少ない、蔵王ロープウェイ樹氷高原駅付近で採取し、被害が大きかった場所へ移すこと。

活動にはおよそ30人が参加し、スコップで高さ20センチほどの稚樹を慎重に掘り起こしました。
掘り起こされた稚樹は、ほとんどのアオモリトドマツが枯れてしまった、地蔵山頂駅付近まで運ばれました。
こうした移植作業は、山形森林管理署が中心となり4年前から行われていて、これまで120本の稚樹が植えられてきました。
11日、移植された稚樹は14本。
枯れた木々に囲まれるなか、青々とした小さなアオモリトドマツが一つひとつ丁寧に植えられていきました。
参加者「がんばって人の手で再生していくことが大切だと実感した。大きく成長してもらってこの子たちがまた種をまいて再生できるような形になってほしい」
山形森林管理署・益田健太署長「樹氷が山形にとって地域にとって大変重要な宝であること、重要な観光資源であること。これからも認識しながら取り組みを続けていきたい」
蔵王の美しい景観の復活へ。

次回の移植作業は、地元の児童や生徒たちと一緒に、9月に行われる予定です。







