■警察・検察が直面する法律の「壁」 なぜ危険運転罪ではないのか

今回の事故を受け、世論や遺族の中には「なぜもっと重い『危険運転致死傷罪』にならないのか」という疑問が強く残ったことでしょう。この事故は、日本の法律運用における大きな課題も浮き彫りにしました。

警察が”危険運転罪”で送検したにもかかわらず、検察がその適用を見送り”過失運転罪”で起訴したのです。

■過失運転致死傷罪 vs 危険運転致死傷罪

○過失運転致死傷罪(今回適用)
7年以下の懲役・禁錮など
注意を怠った(過失)と認められれば適用可能

○危険運転致死傷罪
負傷:15年以下 / 死亡:20年以下
「制御困難な速度」「意図的な信号無視」など、厳格な適用要件が必要