天童グランドホテル舞鶴荘(井上英雄社長)は、10月24日付けで山形地裁より破産開始決定を受けた。
負債総額は25億円。
天童グランドホテル舞鶴荘は、冠婚葬祭互助会を中核とする企業グループの温泉旅館として1986年5月に設立。天童温泉では一定の知名度を持つ温泉旅館だった。
東京商工リサーチによると、本館新築の投資効果で1995年には売上高18億4000万円余りを計上し、ピークに達し、チャペルの建設や周辺施設の買収等で規模拡大を図った。しかし以降は長引く景気の低迷や団体旅行の減少を受けて赤字に。
また新型コロナの感染拡大で一時は営業を停止し、2021年の売上高は1億1200万円まで落ち込んだ。
営業再開後は徐々に売り上げも回復したが、過去の設備投資の借入金の負担から資金繰りが悪化。不動産が競売にかけられる中で厳しい営業が続いた。
今年3月に都内の企業が不動産を落札。8月に新たな施設のオープンに向けた改装工事がはじまったことで営業停止に追い込まれた。