大容量のまとめ売りが特徴の会員制倉庫型店「コストコ」。そんなコストコの商品が、最近、富山県内各地のスーパーで再販され、人気を集めています。会員にしか購入できないものがなぜ手に入るのか?取材しました。

ここは富山県黒部市のスーパーマーケット生鮮市場ジャンプ。訪れたお客さんのお目当てはコストコの商品です。

コストコは、アメリカ生まれの会員制倉庫型店。
専用パレットに商品を積んで納品を行い、そのまま売り場に陳列することで経費を削減し、販売商品に還元しています。

品質の良い生鮮食品なども、まとめ買いできるとして、日本全国に30以上の店を構えています。

そんなコストコの商品をトラックに次々と乗せていくひとりの男性。生鮮市場ジャンプの店員です。

運んでいるのは、大量のパンにピザ。そしてコストコの人気商品、ハイローラーも!

この店では去年、はじめてコストコの商品を販売したところ大きな反響があり、いまでは週に1度コストコフェアと題してイベントを開き、お客さんの「これが欲しい」というリクエストにも応じています。

しかし、これはコストコ商品の転売のようにも見えますが、そのからくりとは。

コストコ射水倉庫店 古道圭一副倉庫店長:「もともとホールセール(卸売り)というところから始まっていますので、ご自身でお店をやっておられるその方がここに仕入れに来て、大きな品物を買って小売りをするという」

生鮮市場ジャンプで再販される商品はおよそ300種類。コストコで人気の商品を中心に集めましたがお客さんが集まる理由はほかにもあります。

客:「コストコまで行くってなると、距離もあって交通費とかもかかるので遠いので、近場でコストコ商品が買えるのは、試せたりもしてとてもありがたい」

客:「魚津に住んでいるんですけど、黒部まで足を伸ばして来たので魚津でも出してくれればいいな」

ほかにも、売る側が商品を小分けにして販売することも可能で、価格設定も自由。容量を減らして販売することで、一人暮らしの人でも手に取りやすいのが人気の理由です。

生鮮市場ジャンプ 田村貴之さん:「こういう小さいスーパーですので、ほかのスーパーとの差別化を図る点において面白いかなと思って始めた。こういうのを入れてくれだったり評判は上々です」

こちらのスーパーでは、燃料費や人件費などを加味してコストコでの販売価格より、3割ほど高くして販売しています。割高ですが人気は上々。売り上げも右肩上がりだということです。

現在コストコの商品を再販する店は県内で5店舗。さらにコストコのない新潟や長野から、射水倉庫店に仕入れに来る人も増えているといいます。

コストコ射水倉庫店 古道圭一副倉庫店長:「本当は会員になっていただきたいんですが遠い方とか来られない方は、お近くのコストコフェアでコストコの商品を知ってもらえるいい機会かなと思いますね。いずれは会員になってもらえれば」

コストコの商品が、近くのスーパーで手軽に買える。消費者にとっても、スーパーやコストコにとっても、もちつもたれつの関係がそこにはありました。