「預金残高をゼロにする処理が必要」などと言われ、富山市の80代の男性が、現金798万円をだまし取られる詐欺の被害にあっていたことが14日わかりました。

富山中央警察署によりますと、9月10日、富山市の80代男性の固定電話に、総務省通信局を名乗る男から「80代男性名義の携帯電話がオレオレ詐欺に利用されており、加害者として浮上している」「これから裁判になるので担当の警察官に電話を代わる」などと連絡がありました。

その後、ニセの警察官「クロカワ」を名乗る男に電話が代わり「話を詳しく聞きたいので携帯電話でやり取りしたい」「LINEを教えてほしい」と要求されました。

80代男性が携帯電話の番号を伝えると、LINEのビデオ通話があり「捜査に全面協力することを条件に優先的に処置していく」と説明されました。

その後も「クロカワ」や「シバタ」を名乗る男から「現金残高をゼロにする処置が必要」「毎日お金を下ろしてくるように」と指示され、80代男性は連日ATMから現金を引き出していました。

9月15日には「金融庁の職員が換金に行く」「現金を袋に入れて自宅の外に置いてください」と指示され、80代男性は現金798万円を紙袋に入れて自宅周辺に置きました。

後に現金がなくなっていることに気づいた80代男性は、金融庁が誤って回収したのではないかと不審に思い警察に相談したところ、詐欺被害だと判明しました。

富山中央警察署では、警察官などを名乗る不審な電話には十分注意し、相手の名前や所属部署を確認すること、一度電話を切って家族や警察に相談することなどを呼びかけています。また、「+」から始まる国際電話に注意し、電話でお金の話が出たら一人で悩まず、警察に相談するよう呼びかけています。