熊本県ではこれまでに経験したことのないような大雨となっているところがあるため、11日昼過ぎにかけて低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒をしてください。また土砂災害に厳重に警戒してください。熊本県や長崎県では線状降水帯による猛烈な雨や非常に激しい雨が降り続いています。九州北部地方では引き続き11日昼過ぎにかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。

福岡管区気象台によりますと、熊本県熊本地方に大雨特別警報を発表しています。何らかの災害がすでに発生している可能性が高く、「警戒レベル5」に相当します。命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況ですので、最大級の警戒をしてください。

九州北部地方にある前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となっています。このため九州北部地方では11日昼過ぎにかけて局地的に雷を伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、大雨となるところがあるでしょう。

これまでの記録的な大雨の影響により、増水している河川では氾濫が発生するおそれがあり、土砂災害の危険度が高まっているところでは12日にかけて少しの雨でも土砂災害が発生する可能性もあります。また、落雷や竜巻などの激しい突風が発生するおそれもあります。

雨の実況

降り始めからの降水量が500ミリを超えているところがあるなど、九州北部地方では記録的な大雨となっています。また、山口県や福岡県、長崎県では24時間降水量が観測史上1位の値となっている所もあります。
降り始め(6日午後5時)から11日午前5時までの降水量(アメダスによる速報値)
  山口県
    下関市竹崎 386.0ミリ
  福岡県
    宗像     452.0ミリ
  大分県
    日田市椿ヶ鼻 268.0ミリ
  佐賀県
    鳥栖   224.0ミリ
  熊本県
    甲佐   592.0ミリ
  長崎県
    雲仙岳   457.5ミリ

雨の予想

11日に予想される1時間降水量は多いところで、
  山口県 30ミリ
  福岡県 80ミリ
  佐賀県 50ミリ
  長崎県 80ミリ
  大分県 70ミリ
  熊本県 80ミリ
11日午前6時から12日午前6時時までに予想される24時間降水量は多いところで、
  山口県 100ミリ
  福岡県 250ミリ
  佐賀県 150ミリ
  長崎県 250ミリ
  大分県 200ミリ
  熊本県 250ミリ
その後、12日午前6時から13日午前6時までに予想される24時間降水量は多いところで、
  山口県 60ミリ
  福岡県 60ミリ
  佐賀県 50ミリ
  長崎県 80ミリ
  大分県 50ミリ
  熊本県 50ミリ
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、以下のとおりです。
 福岡県、佐賀県、長崎県 大分県 11日昼前にかけて
 熊本県 11日昼過ぎにかけて

低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒をしてください。土砂災害に厳重に警戒してください。落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。

今後発表する警報や注意報、気象情報などに留意してください。土砂災害や浸水害、洪水災害のキキクル(危険度分布)に関しては、「気象庁ホームページ」などを確認してください。