住民たちが積み立てた神社の改修費用およそ1800万円を取りまとめ役の60代の男性が横領していたことがわかりました。男性は積み立てが始まった3年前から194回にわたって口座から現金を引き出していたことも明らかになりました。

富山市婦中町小長沢にある改修されたばかりの神社。拝殿の入り口には整備されたばかりの階段、中に入ると真新しいタタミと金の装飾が輝いています。

改修を担当した施工業者:
「屋根がこのように傷んでいたと。だから工期的に非常に日にちがかかるんですよね」「(Q:支払いが)全然ないんですよね」

この神社の改修工事の支払いが滞っています。住民たちでつくる改修整備委員会の前の会長が、みんなが積み立てていた費用およそ1800万円を使い込んでいたというのです。


改修を担当した施工業者:
「なかなか振り込んでないからどうなっているか聞いたら私の事務所まできてもう10日待ってくれと。8月23日なっても全然ないからこれは変だということで部落の人に連絡したと」

建設会社から委員会のメンバーに「改修費が振り込まれていない」と連絡があり事態が発覚しました。

委員会のメンバーの聞き取りに対しこの男性は…。

委員会メンバー:
「使い込みしたんじゃないんけ?」
男性:
「実は使い込みまして。ギャンブルや宝くじ、生活費にあてた」

男性は積み立てが始まった3年前から194回にわたって口座から現金を引き出していたとみられます。

改修費は小長沢地区の約100世帯が1世帯につき25万円を積み立てていました。横領の発覚を受け自治会は28日、住民向けに緊急の臨時総会を開きましたが、男性の姿はありませんでした。

住民:
「納得せんちゃ。本人がおらんから。本人が来て謝ってほしい。本当の説明を教えてほしい」

住民:
「神様に申し訳なくて。申し訳なくてどんないいのになってると思ってお宮さん。こんないいのになっててお宮さんに鍵がかかってるって情けない」

神社の改修費は総額およそ2400万円。現在700万円しか支払いを終えておらず、残りは改修委員会のメンバーで650万円、住民たちで500万円を負担する方針だといいます。

神社の改修整備委員会会長 岡崎保さん:
「使い込んだお金を返していただきたい。早く返していただきたいということが一番です」

工事を担当した建設会社は支払いが滞っているため自治会に引き渡すことができず竣工式は中止となりました。

改修を担当した施工業者:
「少しでも地区の方に喜んでいただくために精一杯がんばって仕事をやらせてもらいました。なるべく早く引き渡したい」

話を聞くため男性の家を訪ねてみると…反応はありませんでした。

男性は自治会の聞き取りに対し、全額返金する意思を示しているということですが、27日の夜から姿を見せず住民たちは警察に被害届を出すことも検討しています。