7月の世界陸上で史上最多タイとなる4つのメダルを獲得した日本。それに続けと、いまコロンビアでは世代別20歳以下の世界陸上が行われています。そこに女子1500m日本代表として出場する富山市出身の選手を取材しました。


ことし6月の日本陸上1500mで4位入賞。世代別の3000mでも2位に輝いた富山市出身の柳楽(なぎら)あずみ選手19歳。

インターハイや国体などで結果を残した精鋭が揃う大学駅伝の名門・名城大学で唯一、20歳以下の世界陸上への切符を掴んだ今、日本の陸上中距離界で最もホットな1人です。

橋本星奈 キャスター:
「Q.自分の強さについて、どこが強み?」

名城大学 柳楽あずみ 選手:
「短距離をしていた時期があったので、そのときに身についたスピードが長距離にもすごい生きてくるので、スピードは自分の1つの武器だと思ってます」



力強く地面を蹴り、背筋をピンと伸ばした美しいフォーム。


監督:
「ピッチ上げろ!ピッチ落とすな!」
大会を2週間後に控えたこの日は1人だけ別メニューで追い込んでいました。

橋本キャスター:
「(橋本)話してると、すごいかわいらしいのに走り出したらすごいかっこいいから、ギャップがすごいなと思って」

柳楽 選手:
「言われたことあります。同期の子から(笑)えー(照れ)」



オンとオフのギャップが魅力の柳楽選手。その素顔をチームメイトに聞いてみました。





チームメイト:
「元気で笑顔が可愛い子です」「癒やしキャラ」「普段はマイペースで、天然で」「よく寝坊する・・・寝坊します、よく(授業で?)朝練。朝苦手で、みんなで起こしに行きます」



小学2年生から短距離選手として陸上をはじめ、堀川中学で中長距離の道へ。その後、福岡県の強豪校に進み国体では3位入賞。区間賞も獲得しています。




親もとを離れて、ずっと陸上と向き合ってきた柳楽選手には、強い覚悟がありました。

柳楽 選手:
「富山から離れた意味とかそういうのもプライドというか、ちゃんと県外出たからにはちゃんと結果を残さないといけないし、そういった部分では、もう本当自分自身を奮い立たせて」「富山県に恩返しするっていう」


地元を離れたからこそ、ふるさとへの思いはより一層強いものになっています。

午前5時38分。「おはようございます」

柳楽 選手:
「おはようございます」

練習が始まる10分前に姿を現しました。
柳楽選手の自己ベストは今年4月の大会の4分15秒71。日本学生記録まであと3秒あまり。20歳以下の世界陸上ではこれまで4分10秒前後の選手が表彰台に上っていて、柳楽選手も自己ベストを更新できると入賞も見えてきます。



名城大学女子駅伝部 米田勝朗 監督:
「私としては最低でも決勝には残って、決勝でどう勝負ができるかっていうところで、結果もやっぱり残してきて欲しいっていうのもありますし、日本の試合では感じられない雰囲気だとか、いろんなものを吸収して学んで、帰ってきてほしいなと思ってます」



今回の大会で決勝に進むためには、ラストスパートを得意とする海外勢に対し、いかにレースで主導権を握れるかが鍵となります。



はじめてとなる世界の舞台。富山への恩返し、その大きな一歩を踏み出します。

柳楽あずみ 選手:
「緊張はまだないんですけど、でもどちらかというとすごい楽しみっていう気持ちが強くあります」「まずは自分自身の力を出して、しっかり挑戦する気持ちを大事にして、何か得られるようなレースをしていけるように頑張ってきます」



柳楽選手は、日本時間の5日午前1時から行われる女子1500mの予選に出場し、その組の上位3人に入れば確実に決勝進出、決勝は日本時間の7日です。