手動で閉じる「弁」16か所中10か所が開いたまま…
今回、水漏れがあったのは、福島第一原発の4号機より東側、山寄りにある高温焼却炉建屋の中にある第二セシウム吸着装置、通称「サリーⅡ」と呼ばれる汚染水の浄化装置です。

「サリーⅡ」は、廃炉作業で出た汚染水から、放射性物質のセシウムを何段階に分けて取り除く装置のひとつで、水が漏れたのはこの装置で発生する水素だけを外に出す排気口です。

この装置では7日、通常の運転を止め、点検を行うために、配管に残っている水をろ過した水で押し流す作業が行われていました。その「ろ過水」を流したところ、排気口から汚染水を含む水がおよそ40分間漏れた可能性があるということです。

東京電力によりますと、この水を流す作業の時に手動で閉じなければならない「弁」16か所のうち、10か所が開いたままでした。これが水が漏れた直接の原因で、なぜこの弁が開いていたのか、作業員から聞き取りを行うなどして調べることにしています。

第一原発の廃炉作業では去年10月、浄化設備アルプスから2トンあまりの廃液が飛び散り、作業員2人が被ばくする事故が起きていて、福島県は8日、より一層の安全管理の徹底を図るよう申し入れました。人為的なミスの可能性があり、徹底した原因究明と対策が求められています。










