「1日2時間勤務」から可能というユニークな働き方の企業が福島県にあります。
子育て中の女性が自分の時間で仕事をし、成長できる場となっています。
働くひとのさまざまな事情に沿いながら、顧客に対応しビジネスが成り立つ秘密を探りました。
同社を率いるのは、株式会社ケイリーパートナーズ代表取締役 鷲谷恭子さん。
大学卒業後、1999年、大企業に就職し「マッチョに働いた」のち、結婚、出産を経て専業主婦に。
子育て環境を求めてUターンした故郷の福島県郡山市で東日本大震災に遭遇。
ボランティア活動のなかで、キャリアが途切れブランクに悩む子育てママの声に触れ、活躍の選択肢をつくろうと地元・福島で起業、いま、郡山から白河に事業を拡げている注目の女性経営者です。

同社は、人材不足で悩む企業のお困りごとに寄り添い、経理のサポートやデータ入力などの業務をアウトソーシングで受け、子育て中の女性たちが担います。
いったん職業キャリアが途切れると再出発する時にとても難しい、恐怖心もあり、環境が整っておらず、働きたくても働けない方たちがいる。
その一方で、人手が足りないと悩む企業経営者や個人事業主も多い、そのミスマッチが噛み合うやり方もあるんじゃないかと考え起業した、と鷲谷さんは語ります。

「自身も子育て中でしたから、調和のとれた働き方をしながら起業と考えましたが、そんなにうまくはいかなかったです。会社としての器を作ること、ゼロベースの子育て女性のスキルアップ、顧客の信頼を得て利益をあげられる事業の柱づくり、その3つをゼロベースでスタートするわけなので、自走できるところまで時間がかかりました。今振り返ると身震いします(笑)、よくやったと思います。
ボランティア活動等でチーム作りをやってきたなかで、同じ人、同じスキル・能力を持った人でも、環境によって発揮できるその力が全然違うという感覚が強くあったので、一緒に働くメンバーがこの会社で力を発揮するためにチーム作り、土台作りは絶対妥協しちゃいけないとの思いがありました。今で言う「心理的安全性」は起業1年目の時にすごく意識してやってきました。遠回りでもチーム作りに時間と手間をかけるのがミッションと考えていたのを今でも思い出します。」