東京電力福島第一原発の処理水を海に放出してから1か月が経ちました。これまでのところ、水産物の価格に大きな変動はなく、関係者は「安全・安心な放出を続けてほしい」と注文しました。
生き生きとしたヒラメに、大粒のホッキ貝。福島県いわき市の沼ノ内漁港のせりには、25日も新鮮な「常磐もの」が並びました。
水津邦治アナウンサー「処理水放出から1か月、元気のいいせりの様子は放出前と大きく変わりありません」
多くの仲買人が集まった25日のせりの中心は「ヒラメ」。いつもに比べ、量は少なめだということですが、大きさは十分です。
8月24日に始まった処理水の海洋放出。9月11日までに1回目が終了し、およそ7800トンが海に放出されました。東京電力によりますと、トラブルは確認されておらず、周辺海域のモニタリングでは、いずれも基準値を下回っています。
いわき市漁協によりますと、「ヒラメ」の取引価格は処理水の放出前と比べて大きな変動はありませんでした。
仲買人「当初よりも高くなっている。(漁獲)量的に少ないので高いですね。(放出の影響は)全くない、逆に高い。これから2回目3回目と長年にわたり放出になるが、安心・安全で海洋放出をしてもらいたい」
こうした中、福島県の内堀知事は、引き続き取引価格を注視するとしたうえで、県独自に対策をとる考えを示しました。
内堀知事「風評の影響を常に注視をしながら、大都市圏への情報発信を強化するなど、県独自の風評対策を講じてまいります」
一方、政府と東電は、改めて放出設備を点検した後、28日にも、2回目の放出の日程を決めることにしています。
